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ディスプレイ画面は信じられない速度できれいになっている。画面のきれいさを表す指標の一つに精細度がある。画面を拡大するとドットという光を出す素子というものが見える。この素子の間隔が狭い程、映像はきれいになる。以前アップル社からRetina ディスプレイというきれいな画面を象徴する商品が登場した。このときの精細度は、326 ppi。現在はさらに高精細ディスプレイが登場している。 さて、ここで疑問が沸く。どこまで精細度が必要なのか、もう充分ではないのかと。 しかし、読みやすさ(可読性)は、500 ppiでも限界ではない。記号や明朝体のような細い文字は、特に精細度が必要である。 調査中ではあるが800 ppiは必要なのではないだろうか。 文献 1. Hisatake Y, Kawamorita T, Kanno Y, Takahashi S, Ito M, Takahashi H. The 21st IDW, 2014 2. Kawamorita T. The 22nd IDW, 2015 3. 窪田悟, 小田泰久, 高橋由佳. 映像情報メディア学会誌60, 405-408, 2006 | ヘッドアップディスプレイhead up display(HUD)は,フロントガラスの目の前に映像が浮かび上がって見える先進装置である。略称でハッドと呼ばれる。 もともとは戦闘機など軍用で開発され,パイロットに素早く必要な情報を与えることができる。戦闘機の速度は,マッハになることから,一瞬でも前から眼を離せば,致命的な事故につながる可能性がある。この点では、自動車も同様である。 このハッド、視認時間を約半分にすることができる。また、映像が遠方に提示されていることから老眼(老視)でも見やすい。 近未来のシステムは、わくわくさせるだけでなく、速く見るために理にかなった設計となっている。最近では価格もかなり下がってきて、標準装備の車種まででてきた。今後、さらなる普及が期待される。 ご協力:パイオニア株式会社 参考文献 1. 川守田拓志, 生理的観点から見た車載ヘッドアップディスプレイの安全性とその評価, 株式会社技術情報協会, 東京, 281-289, 2015 | 子どもが50 inch大型ディスプレイの前50 cmの距離でテレビを見るのと、30 cmでスマホを見る、どちらを叱るだろうか? おそらく前者だろう。しかし、このケースでは、眼の調節負荷は、スマホが大差で大きくなる。これは、眼の調節反応が、画面の大きさや明るさよりも距離に依存するためだ。 近視の進行は、遺伝因子と環境因子の両者に関係があるとされる。環境因子は、長い時間、眼調節負荷がかかることで生じるという説(調節負荷理論)と周辺からの光が眼の奥できれいに像を結んでいないためとする説(軸外収差説)がある。また、日中に浴びた光や寝ているときの常夜灯にも影響を受けているという報告もある。 まだまだ解明されていないが、近い距離での視聴は避けた方が無難だ。 ちなみに私の場合、Youtube好きの娘には、手が届くぎりぎりのところまで離れるよう説得したり、遠方のテレビで見れるようにしたりすることで距離を保っている。 ICT化の流れで子どもが1人1台タブレットを持ち学び、友達と仲良くなるためにスマホを持ち、息抜きにテレビを見る。近視の進行が懸念される。眼とディスプレイの安全教育も重要である。 |
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